資金調達支援で頼める5つのこと|費用と選び方を元融資課長が解説

設備投資を決めたのに、メインバンクの反応が鈍い。追加融資の相談をしたら「決算を見てから」と言われた。

そんなとき「資金調達の支援を頼んでみようか」と考える経営者は少なくありません。ただ、資金調達支援といっても、中身も費用も業者によってまったく違います。

実は、融資を審査する側から見ると、外部の支援者が関わった案件は2種類に分かれます。審査が「通りやすくなる」案件と、かえって「慎重になる」案件です。

この記事では、日本政策金融公庫で3万件の審査に関わった立場から、資金調達支援で何を頼めるのか、費用の考え方、そして頼む相手の見分け方をお伝えします。

目次

結論:資金調達支援は「書類づくり」ではなく「審査に通る状態づくり」

資金調達支援と聞くと、事業計画書を作ってもらうことを想像する方が多いと思います。もちろんそれも仕事の一つです。ただ、本当に価値があるのはその前後です。

銀行の担当者は、社長から預かった資料をもとに、自分で稟議書(社内の決裁を取るための書類)を書きます。つまり融資が通るかどうかは、担当者が「この内容なら上司を説得できる」と思えるかで決まります。

良い支援者は、そこから逆算して準備を組み立てます。

資金調達支援で頼める5つのこと

1. 銀行からの評価(格付け)の確認

まず、自社が銀行からどう見られているかを確認します。銀行は決算書をもとに、社内で企業を格付けしています。格付けによって、貸せる金額も金利も変わります。

ここを知らずに交渉すると、通らない金額を申し込んだり、不利な条件をそのまま受けたりしがちです。

2. 資金計画と事業計画書の作成

「いくら、何に使い、どう返すか」を数字で示す資料です。審査する側が見るのは、計画の夢の大きさではありません。売上が計画より2割下振れても返せるか、という一点です。

3. 金融機関の選び方と持ち込む順番

どの銀行に、どの順番で、いくら申し込むか。これは意外と軽く扱われますが、結果を大きく左右します。一度断られた案件は、次の銀行の担当者も慎重になりがちだからです。

4. 面談の準備と同席

銀行の面談では、社長が自分の言葉で数字を説明できるかを見ています。想定される質問を事前に洗い出し、答え方を一緒に準備します。案件によっては面談に同席します。

5. 調達後の報告と次回への備え

融資を受けて終わりではありません。計画どおりに進んでいるかを銀行に定期的に報告すると、次の融資の通りやすさが変わります。

「必要になってから駆け込む会社」より「計画的に報告してくる会社」のほうが、銀行は貸しやすいのです。

依頼する前に確認したい2つの数字

支援を頼む前に、自社の現在地を知っておくと話が早く進みます。審査の現場で必ず見る数字を2つ挙げます。

指標計算のしかた目安
債務償還年数借入金総額(今回調達分を含む)÷(税引後利益+減価償却費)10年以内
借入金月商倍率借入金÷月商3〜4か月以内

債務償還年数とは、借入金を今の利益で何年で返せるかを示す指標です。ポイントは、これから借りる分も含めて計算することです。今の借入だけなら10年以内でも、新しい借入を足すと超えてしまう会社は少なくありません。10年を超えると、担当者は「正常先」(問題なく返済できる取引先)として稟議を書きにくくなります。

2つとも目安の範囲に収まっていれば、交渉の進め方次第で条件を良くできる余地があります。どちらかが大きく外れていれば、申し込む前の準備が結果を分けます。

資金調達支援の費用は?3つの料金体系

資金調達支援の料金体系は、大きく3つに分かれます。

料金体系内容向いている会社
スポット型診断や計画書の作成など、1回ごとに料金を払うまず現状を知りたい会社
成功報酬型調達できた金額に応じて報酬を払う1回の調達に絞って頼みたい会社
顧問型月額で継続的に支援を受ける銀行との関係を根本から整えたい会社

参考までに、当社の料金は次のとおりです。

  • 銀行評価・融資診断:55,000円(税込)
  • 社長の財務参謀室(継続相談):月39,600円(税込)〜
  • 社外CFO(12か月伴走):初期180万円〜+月額15万円〜(税別)

料金を比べるときは、金額だけで判断しないでください。「どこまでやってくれるのか」「銀行との面談に同席するのか」まで確認することが大切です。

審査側から見た「頼んではいけない支援者」

外部の支援者が関わったことで、かえって審査が慎重になる案件もあります。審査をしていた立場から、注意してほしい支援者の特徴を3つ挙げます。

  • 「銀行に顔が利くので必ず通る」と言う
  • 計画書の数字を、実態より良く見せようとする
  • 中身の説明がないまま、高い成功報酬だけを提示する

特に2つ目は要注意です。審査する側は、過去の決算と比べて計画の数字が不自然に良いと、すぐに気づきます。そして面談で社長に質問し、社長が答えられなければ、計画全体の信頼が崩れます。

良い支援者は、社長が自分の言葉で説明できる計画をつくります。数字を盛るのではなく、根拠を積み上げます。

まとめ

  • 資金調達支援の価値は、書類づくりよりも「審査に通る状態づくり」にある
  • 頼む前に、債務償還年数(今回の調達分を含めて10年以内)と借入金月商倍率で現在地を確認する
  • 費用は金額だけで比べず、支援の範囲と銀行への向き合い方で選ぶ

自社が銀行からどう評価されているかを知りたい方は、まず「銀行評価・融資診断」で現在地を確認できます。

数億円規模の設備投資やM&A資金など、大型の調達を控えている方はこちらをご覧ください。

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