日本政策金融公庫で26年間、融資の最前線に立ち続けてきた経験から、本日は経営者の皆様にひとつ厳しい現実をお伝えします。
自社の決算や銀行への対応を、顧問税理士さんに完全に丸投げしてはいませんか。
経営者の方とお話ししていると、数字のことはよくわからないから専門家にお任せしているという声をよく耳にします。
一見、餅は餅屋という合理的な判断に思えるかもしれませんが、実はここに大きな落とし穴が潜んでいます。
節税と財務の決定的な役割の違い
まず正しく理解しておかなければならないのは、税理士さんと財務コンサルタントでは役割が根本的に異なるという点です。
税理士さんは税金を正しく計算し、合法的に節税をするためのプロフェッショナルです。いかに利益を圧縮して納める税金を少なくするかという視点においては、これ以上ないほど頼りになる存在でしょう。
しかし、銀行から高く評価される強い財務を作るプロとは、全く別の生き物です。
金融機関が融資の審査で最も重視するのは、本業でしっかりと利益が出ており、返済能力があるかどうかです。過度な節税に走り、利益をギリギリまで削ってしまった決算書は、銀行の目には稼ぐ力がなく返済余力の乏しい企業として映ってしまいます。
つまり、税金対策の最適解が、銀行対策の最適解になるとは限らないのが現実なのです。
面談の場で銀行員が本当に見ているもの
さらに重要なのは、銀行の担当者が面談の場でどこをチェックしているかという事実です。
彼らは単に手元の決算書の数字だけを見ているわけではありません。社長自身の口から自社の数字や利益構造について、自分の言葉で語れるかどうかを非常にシビアに観察しています。
今期の売上が伸びた要因は何か、なぜこの経費が増加しているのか、今後の資金繰りをどう見据えているのか。
こうした質問に対し、詳しいことは税理士に任せているのでわかりませんというスタンスが見えた瞬間、銀行側の評価は一段も二段も下がります。
自社の状況を把握できていない経営者にお金を貸し出すことは、金融機関にとって非常にリスクが高いと判断されるからです。
手元に現金を残すことこそが最強の防衛策
では、どうすれば銀行がぜひ融資をさせてほしいと望むような強固な企業になれるのでしょうか。
答えは極めてシンプルです。
目先の過度な節税に走るよりも、本業でしっかりと利益を出し、しかるべき税金を払った上で手元に現金を残すことです。
手元の潤沢なキャッシュこそが、予期せぬピンチから会社を救い、次なる成長への投資を可能にする最大の武器となります。
そのためには、社長ご自身が数字に強い経営者へと進化する必要があります。
完璧な簿記の知識や細かな計算スキルが必要なわけではありません。
自社のビジネスモデルがどうやって利益を生み出しているのか、その構造を大きな数字で把握し、自分の言葉で銀行に説明できる力を持つことが重要なのです。
自力で稼げる財務基盤を作る
自力で稼げる財務基盤を作り上げることこそが、どんな環境変化にも揺るがない最強の防衛策となります。
税理士さんに任せきりにせず、まずは自社の試算表や決算書を自分の目でじっくりと読み解く時間を作ってみてください。
税務のプロに頼る部分は頼りつつ、財務の舵取りは社長自身が行う。
数字を語れる社長になることが、銀行から信頼され、長く続く強い会社を作るための第一歩です。公庫の現場で数千人の経営者を見てきた私が断言します。
数字から逃げない社長の会社は、必ず強くなります。
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