このサイトで解説するのは、創業融資を受けるための事業計画書の作成方法です。さらに、創業融資を受けて起業を実現するためのノウハウもご提供します。
私はかつて、日本政策金融公庫という政府系金融機関に勤務しており、融資の申し込みをしてきた起業志望者へ融資OKとするかNGとするかの審査の仕事に携わりました。その間、数多くの事業計画書(日本政策金融公庫では「創業計画書」といいます)に接してきました。そのうち融資OKになったものは約5千件ですが、融資がNGとなった人のものを含めると1万件以上の事業計画書を見たのです。
事業計画書の書式は、今は日本政策金融公庫のホームページからエクセルのファイルでダウンロードできますが、以前は手書きが基本でした。その中身はというと、実にさまざまで、丁寧な文字で一生懸命に書いたと思われるものがある一方で、各項目に1行くらいしか書いてない雑なものがあるなど、書いた人のやる気や性格も出ていました。
金融機関が創業融資の審査をする際は、事業計画書の出来栄えだけで決めるわけではありませんが、一つの重要な判断材料であることには違いありません。私のもとへは、たくさんの起業志望者から事業計画書の作成方法についてご相談が寄せられます。ご相談の内容の例を挙げると次のようなものです
○何から手をつけていいのか分かりません
○事業計画書は何枚くらい作ればいいでしょうか?
○パワーポイントでビジュアルに作ったほうがいいですか?
○創業動機はどのように書いたらいいですか?
○経歴の欄は履歴書のように書けばいいでしょうか?
○事業内容をどのように表現したらいいでしょうか?
○起業のために必要な資金の金額が分かりません
○運転資金はいくらくらいにしたらいいでしょうか?
○自己資金が少ないのですがどうしたらいいでしょうか?
○売り上げの予測はどうやったらいいのでしょうか?
○経費がどれくらいかかるのか分かりません
○仕入先が決まっていないのはまずいでしょうか?
最近は起業志望者が増えていることもあり、事業計画書の書き方について、多くの書籍やセミナーでノウハウが提供されています。インターネットで検索すると「日本政策金融公庫の創業計画書の書き方を教えます!」といったサイトもたくさん出てきます。
しかし、情報が多すぎて、むしろ混乱している方がいらっしゃいます。起業を実現したいという意欲が強く、融資で失敗したくないと思うからこそ悩んでしまうようです。
実際に多くの創業審査を担当した私がみると、巷にあふれている情報は、疑問に思う内容が少なくないのが実態です。
金融機関で融資を担当したことのない人が情報を提供しているので、ズレが生じるのはやむを得ないことでしょう。このサイトでは、金融機関担当者の視点を考慮して、首尾よく融資を受けるための事業計画書の作成方法について解説していきます。