融資担当者の圧迫感に備えよう

融資担当者の中には、なんとなく「上から目線」という印象の人もいます。ホテルのフロントにいる女性のように、にこやかに話す人は少ないのが実態です。

融資担当者の印象はよくても、家族のことなどプライベートことを質問される場合があるので、ムッとするかもしれません。でもそこは我慢して、穏やかに対応することが大切です。融資担当者がどんな人であれ、うまくコミュニケーションを図る気持ちで臨んでください。

また、融資担当者の視線が、面談の最初にとてもイヤみに感じることがあります。実はそれには明確な理由があるのです。融資を申し込みした人に対して、まず疑ってかかるからです。

何を疑うかというと、「あなたは誰?うちを騙そうとしていない?」ということです。何万人という申し込み者の中には、「なりすまし」「書類の偽造」「嘘の創業計画書」などで融資を不正に受けようとする人がゼロではないからです。これらは詐欺に当たりますが、それに騙されないことが融資担当者の大切な仕事の一つです。
そうしたイヤみな目線を向けられても「彼らの仕事だから仕方ない」と思って耐えていただくようお願いします。

面談の冒頭で、融資担当者が「本人確認」「実在確認」「居所確認」といったものを行います。運転免許証などを求めるのはそのためです。

「本人確認」「実在確認」とは、文字どおり申し込みした人が本人か、実在している人か、ということです。それを証明するのにもっとも有効なのは運転免許証ですが、もし住所が住民票と異なっているようでしたら早めに変更手続きをしておくことをお勧めします。運転免許証を持っていない場合は、パスポートやマイナンバーカードなどを提示することになります。ときには、複数の証明書を求められることもありますので、それにきちんと対応してください。

「居所確認」とは、実際に住んでいる場所を確認するということです。そのために住居の賃貸契約書などを求められます。
若い人の中には、友人宅などに住んで本人が賃貸契約をしていない方がいますが、審査上はネックになってしまうことがあります。また、子供の学区の関係で住民票を親せき宅にして、実際には別のところに住んでいるという方もいます。その場合は、公共料金の請求書などを見せるなどしてきちんと説明する必要があります。

このように「本人確認」「実在確認」「居所確認」を意識して、しっかりと証拠資料を提示することが重要です。

そのほか、創業計画書に記載した取引先についても、融資担当者は実在している会社かどうか、日本政策金融公庫内部のデータベースやインターネットで調べます。万一提出した資料の中に事実と異なるものがあると、「信用できない人」と判断されて融資NGとなる可能性があるので、十分に注意してください。

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