面談終了時の言葉を聞き流してはいけない

融資の面談が終わる時間になると、融資担当者が融資可否の見込みについて触れます。

そのときの融資担当者の言葉は重要なので、しっかりと聞くだけではなくそれに応じたリアクションをすべきです。

たとえば「できるだけ融資の方向で検討しますが、私一人では決められないので協議のうえご連絡します。」と言ったとします。この場合だと、融資担当者が融資OKの方向で稟議を上げる前向きな姿勢であることが分かりますから、申し込みした金額の満額で決まる確率が高くなります。ですから、「ぜひよろしくお願いします。」と言って終われば問題ありません。

ところが「上とも協議させていただきますが、ちょっと満額は難しいかもしれません。」という場合もあります。「可能性としては○○万円くらいまでかもしれません」など、ある程度金額のラインを出してくれることもあります。気の利いた担当者だと、「なんとかできるだけ多く出るようにがんばってみます。」と言うこともあります。いずれにしても、こうした内容の発言は、減額になることを示唆しているのです。

「なんとか多く出るようにお願いします」と言って終わってしまうと、そのまま減額されてしまいます。「この設備がどうしても必要なので、なんとか500万円はお願いします。」と、根拠を示しながら譲れない金額を明言することが重要です。

融資担当者によっては「ご希望の500万円は無理だとしたらゼロ回答になるかもしれませんが、それでもよろしいでしょうか?」とドライに詰めてくることもあります。でもそれに屈してはいけません。
「いえ、ゼロ回答は困ります。500万円を割り込むと○○が買えなくなるので、ご理解をお願いします」と、冷静に自己主張することが大切です。

創業融資には明確な審査基準があるわけではありません。融資担当者との交渉次第で金額が決定することもあるのです。とはいえ、融資担当者が「300万円くらいになるかもしれません」と言っているのを倍額にするのは難しいでしょう。

「減額されるのはやむなし」と考えて、その幅を小さくするための交渉する姿勢が大切です。交渉といっても、大きな声を出して怒鳴っては逆効果です。冷静な口調で押したり引いたりして、最低限必要な金額についてしっかりと理由を説明するのが有効です。

問題は「○○が問題になるかもしれません。そのためご融資が難しい可能性もあります。」と言われたときです。融資担当者が融資NGを示唆していることになります。それに対して「そうおっしゃらずになんとかよろしくお願いします。」と頼んでも、結論を変えてくれないでしょう。

この場合は、まず何が問題なのか質問することが大切です。
たとえば飲食店開業で「投資金額が大きい」というのが問題なら、「わかりました。投資金額を縮小するので1週間くらい待ってください」といって実際に縮小する工夫をするのです。指摘された問題が工夫次第で対応できることなら、改善することで融資がOKになる可能性もあるのです。

このような融資担当者からの融資見通しに関する説明は、面談の終了時ではなくその後数日経過してからの電話によることもあります。いずれにしても、内容をよく聞いたうえで、できるだけ希望に近い金額を確保できるようにリアクションすることが重要です。

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